高血圧:セロケン

商品名(一般名)   セロケン酒石酸メトプロロール錠)
薬価: 18.5 円 / 20mg1錠
特徴: セロケンは血圧を下げるお薬です.また,狭心症や不整脈の治療にも使用します.心臓を休ませる作用があります.作用メカニズムは,心臓にある交感神経のβ受容体を遮断することです.これにより心臓の拍動がおさえられ,血圧が下がります.高血圧症のほか,狭心症や不整脈(頻脈)の治療にも用います.
副作用: 飲み始めに,体がだるくなったり,めまいを感じることがあります.軽ければたいてい心配いりませんが,ひどいときは早めに受診しましょう.息苦しい,胸が苦しい,疲れやすい,むくみ,ドキドキする,脈が飛ぶ,脈が1分間50以下,めまい,気が遠くなる,失神,だるい,食欲不振,吐き気,発熱,発疹,かゆみ,皮膚や白目が黄色くなる,尿が褐色などが副作用の目安です.
セロケン  心不全や喘息,レイノー症状のある人は基本的に禁忌です.糖尿病の人では,血糖降下薬の副作用(低血糖)がでやすくなるので注意してください.高齢の人も心不全などの副作用がでやすいので,少量より開始するなど慎重に用います.
 ちなみに,この薬は20年以上前に心臓手術(中隔欠損症)をした,うちの父が毎日飲んでいる薬です.元々心臓が良くないせいか,薬の副作用か分かりませんが,脈が飛ぶ(不整脈)ので,年に何度か心電図検査をしています.他にも降圧剤を飲んでいますが,種類が多かったときは,血圧が下がりすぎることもありました.

高血圧:レニベース

商品名(一般名)  レニベースマレイン酸エナラプリル錠)
薬価: 175.9 円 / 10mg1錠
特徴: レニベースは主に高血圧症の治療に使用されています.病状にもよりますが,心臓病心不全など)や腎臓病(腎硬化症,糖尿病性腎症など)にも有効です.血圧を適切にたもつことは,将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病,腎臓病を防ぐことにつながります.
副作用: 「咳」の副作用がかなりの頻度でみられます.それほど心配いりませんが,つらいときは医師に相談してください.薬が効きすぎると,血圧が下がりすぎて,強いめまいや立ちくらみを起こします.とくに高齢の人,また他の薬と併用するときに注意してください.
レニベース  レニベースの作用は,血圧を上げる「アンジオテンシンU」という体内物質の生成をおさえます.これにより,体の血管が広がり,また水分や電解質が調整されて,血圧が下がります.心臓や腎臓の負担を軽くする効果もあります.血糖,尿酸,脂質などに影響しません.年齢を問わず広く用いることができます.予後改善効果(長生き)についても,長期臨床試験により証明されています.心不全や腎不全,糖尿病性腎症においても,有効性が示されています.
  ちなみに,この薬は20年以上前に心臓手術(中隔欠損症)をした,うちの父が毎晩飲んでいる薬です.副作用の咳は時々見られます.他にも降圧剤を飲んでいますが,種類が多かったときは,血圧が下がりすぎることもありました.

高脂血症:リピトール

商品名(一般名)  リピトールアトルバスタチンカルシウム錠)
薬価: 76.5 円 / 5mg1錠
特徴: 血液中のコレステロールを減らすお薬です高脂血症は,血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態です.自覚症状がなくても,長い間に動脈硬化が進み,狭心症や心筋梗塞の原因にもなりかねません.このお薬で血液中のコレステロールを低下させていれば,将来起こるかもしれない心筋梗塞の危険性を少なくすることができます.
  心筋梗塞の多くは,プラークという血管のコブが破れ血管が詰まることで起こります.このお薬でコレステロールを十分に下げてやると,プラークが安定し破れにくくなります.心筋梗塞をすでに起こしたことのある人は,再梗塞の予防につながります.
副作用: 注意したいのは,筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」です.まれな副作用ですが,とくに腎臓の悪い人,高齢の人は注意が必要です.わりと多いのは腹痛や吐き気などの胃腸症状と肝機能値の異常です.肝機能値の多少の悪化はそれほど心配ないと思いますが,ごくまれに重い肝障害を起こすことがあります.ひどい倦怠感,吐き気,発熱,皮膚や白目が黄色くなる,といった症状に注意し,そのような場合はすぐ医師に連絡してください. 
リピトール  リピトールは高コレステロール血症の治療薬です.他の副作用で注意なのが,肝機能値の異常.AST(GOT),ALT(GPT)等の肝機能値が上昇してくる(重い肝障害にいたるおそれもあるので要注意ですが,随分稀な副作用です).胃の不快感,吐き気,腹痛,下痢,指のしびれ感,頭痛,不眠,発疹,かゆみ などがでたら,医師に連絡してください.

糖尿病:アマリール

商品名(一般名) アマリールグリメピリド錠)
薬価: 23.5 円 / 1mg1錠
特徴: アマリール血糖値を下げる薬です.しかし糖を分解するインスリンを直接投与している訳でなく,すい臓に働きかけインスリンの分泌を増やすことで,血糖値を下げます.おもに,2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)に用います.日々の血糖値を適切に保つことは,将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防につながります.
副作用: 薬の効きすぎによる低血糖症状の振るえ・ふらつき等あらわれたら,すぐに甘いもの(糖分)をとるようにします.糖分としては,吸収の良い砂糖がおすすめで10〜20gをとるようにしてください.外出のときにも持ち歩くようにしましょう.そのほか糖分の多いジュースなどでもかまいませんが,アメ玉は溶けるのに時間がかかるので向いていません.
  なお,αグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ,ベイスン,セイブル等)を併用している場合は,病院から渡されるブドウ糖をとるようにしてください.すぐに糖分をとれば15分くらいで治ってきますが,医師への報告も忘れないようにしましょう.
  万一飲み忘れたら,その1回分は抜かしてください.絶対に,2回分を1度に飲んではいけません.体調が悪く,食事がとれていないとき,下痢をしているとき,あるいは激しい運動の前後,疲労のひどいときなどは,薬の量を減らしたり休薬したほうがよいことがあります.そのようなときの対処法を医師から聞いておきましょう.
アマリール  アマリールはすい臓β細胞を刺激してインスリン分泌を促進します.うちの母のように糖尿病が深刻化してなく,インスリン注射まで必要ない人は,アマリールなどの投薬治療で糖尿病の進行を止めることができるようです.他にも同様のメカニズムの薬がありますが,これからさらに母の血液検査値が良くなれば,アマリールより作用の弱い薬に変更してもらえます.ですので,早期治療・食事・運動療法によって,随分糖尿病の進行は抑えられ,糖尿病レベルを低下させることが出来るようです.
 なお,腎臓病など持病のある人,また体の状態が悪いときなどで低血糖を起こすおそれのある場合は使用を控えます.高齢の人も低血糖症を起こしやすいので,少量より開始するなど慎重に用います.