薬価: 14.9 円 / 100mg1錠 24.8 円 / 200mg1錠
特徴: リーマスは古くから使われている気分安定薬です.特に躁うつ病,うつ病,躁病に用いられます.躁病・躁うつ病の急性期と再発予防期のいずれにも用います.なお,躁うつ病のうつ状態に一定の効果があるため,抗うつ薬と併用しつつ躁転を予防します.
副作用: 気をつけなければならないのは,「リチウム中毒」です.初期症状として,手のふるえ,口渇,吐き気,めまい,言葉のもつれ,下痢,多尿,頻尿,腎機能異常などが現れます.このような場合は,すぐに医師に連絡してください. その他に腎機能異常,甲状腺機能異常(甲状腺ホルモンT3・T4の低下)があります.定期的にリチウムや甲状腺ホルモンの血中濃度を測ってもらうことが必要です(筆者もうつ病治療の一環で採血しました)
リチウム剤が医薬品として使われたのは1850年頃からで,当時はリウマチの治療,精神安定薬,糖尿病治療,伝染病予防にも用いられました.現在は主に精神科医療で用いられます.躁うつ病にとって,三環系とどちらが予防効果があるかという実験では,リチウムの方が10%ほど有効だという結果でした. しかしながら,現在の治療ではリチウム中毒の問題や,プロトコルがアメリカ式を採用している医師が多いこともあり,リチウム単体でうつ病・躁うつ病を治療することは少ないようです.SSRI・SNRIや三環系など他の抗うつ薬と併用し,それらの作用を増強するために必要量を処方されるようです.
禁忌・慎重投与: 1.てんかんなどの脳波異常がある,2.重い心臓疾患がある,3.腎障害,4.衰弱・脱水状態,5.発熱・発汗・下痢がある,6.食塩制限患者,7.妊婦または妊娠の可能性がある人,8.サイアザイド系利尿剤を投与されている人.
なお,筆者も治療初期に,200mg/日からトレドミンとの併用を開始し,400mg/日になってからはトレドミンのノルアドレナリンの効果(やる気を出させる)が出てきました.ただ,気分の起伏が激しいのはまだあって,もっと落ち着いた思考力を取り戻したいと医師に相談して,さらに600mg/日にしてもらいました.
<筆者の通院記録>
2006年9月に,気分の起伏を抑えるため,リーマス増量を検討し,その前に増量可能か甲状腺機能に関して,血液検査をしました.その結果,甲状腺機能低下(副作用だけでなく先天性の可能性も考えられています)の症状が出ていたので,筆者はリーマスを完全カットしました.詳しい検査結果や経緯=通院日:血液検査で甲状腺の異常発覚!?
追記2: 抗うつ薬は気分をあげてくれる薬ですが,気分と共に焦燥感や苛立ちといった悪い副作用も出る場合があります.最悪,躁転するケースもゼロではありません. 筆者の場合,気分安定薬がなくなってから抗うつ薬を増やして調子が上がる一方で,イライラが募る場面が増えました. よって2008年9月から気分安定薬のデパケンRを中心に治療薬を見直したところ,苛立つことが随分と減りました.