薬価: 22.4 円 / 200mg1錠 (デパケンR)
特徴: 一般に気分安定薬と言われるお薬で,各種てんかんの治療,躁うつ病・躁病の躁状態を抑える作用があります.また躁の波だけでなく,躁うつ病の鬱の波を抑える効果もあります.通常は,400mgから始め,必要に応じて1200mgまで増量することができます.
副作用: 眠気,ふらつき,頭痛,不眠,けん怠感,吐き気,食欲の増減,高アンモニア血症など.また肝障害のある人,妊婦さん(妊娠の可能性のある人)は使用が認められません.まれに重篤な肝障害が現れるため(初期6か月以内が多い),投与初期以降,定期的に血液検査など腎機能と肝機能検査を行います.
デパケン(バルブロ酸ナトリウム)は,てんかん薬として使用されていますが,躁うつ病・躁病への効能が2002年に認められています.血中濃度は30~60分で最高に達し,肝臓で代謝され,半減期は8〜15時間となっています.
脳内のGABA濃度やドーパミン濃度を上昇させ,セロトニン代謝が促進されるお薬です.特にGABA機能に影響していることが,躁を抑える作用に関与しているのではと提唱されていますが,現段階では詳細は不明です(2007年時点).
筆者である私の使用歴ですが,気分安定薬を抗うつ薬と併用するのは2度目になります.最初はうつ病初期治療時の2006年,リーマスを使用していました.併用中はとても調子が良かった.ですが,血液検査で若干高めに出てしまい,以降,数年間も使用を止めていました.
その間に,体調が一旦よくなり抗うつ薬を減薬したと思ったら,燃え尽き症候群のようになり半年近く寝込みました.それを期に,2007~2008年はメインの抗うつ薬,トレドミンを徐々に増やし時にMAX150mg/dayを使用していました.なぜなら,再び燃え尽き症候群になりたくなかったから.
ところが,どうもイライラや焦燥感,多弁(まるでマシンガントーク),思いつくことは山のように出てくるのに実行に至らない(観念奔逸)という症状が出てきました.抗うつ薬が効きすぎている???
多弁までは自覚していたのですが,観念奔逸までは気付かなかった.発覚したのは2008年9月.
うつ状態の時の,「作業が手につかない」は気力不足や論理思考の停止が大きかったのですが,観念奔逸という時は,とにかくアレもコレもとポンポン浮かぶだけで,結局は面倒くさがって放り投げる感じになるんです.
観念奔逸を本などで知った時に,先生に相談したところ,即,気分安定薬の併用を再開することになりました.リーマスでも良いと言われましたが,以前,血液検査で引っ掛かっているため,このデパケンにしようということになりました.2009年8月時点で,随分と鬱と躁の波を抑える作用を感じています.
ちなみに,リーマスの時より血液検査は初期段階で2回以上と,頻繁に行っています.血液検査は最低でも半年に1度は行う方が良いですね.